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ボクらのやっか~今の福井小で感じること~

福井小学校に来て2年目の名目良南先生と、4年目の小林拓未先生。
福井小がどんどん変化をしていく中で、今感じていることとは。お二人の先生に対談インタビューを行いました。


名目良南先生。島後(隠岐の島町)出身。
小林拓未先生。松江出身。
大学・大学院時代を東京で過ごし、その後島根県で教員生活を送る。

福井小のはじめの印象

小林:きれいな学校だなと思った。
名目良:私も。すっごい明るい学校。
戸が上も下も全部ガラス窓。あれにすんごいびっくりしたの。廊下を通る人に全部見られるから。普通あんなに窓ないよね。それがすごく私は、明るくて風通しがいい感じがしてた。人も建物も。

素敵なところに来たなって。この学校を見て、子どもや保護者ともそんな関係を築きたいなと思った。

小林:僕、学校に来る前に港着いたときにお出迎えに来てくださって、そのまま引っ越しを手伝ってくださって。僕、松江から来たので、すごい衝撃を受けて、なんかすみませんって申し訳ない気持ちになって。
今日来たばっかりで、出会ったばっかりの人の引っ越しを手伝ってくださるから、「ああ、ごめんなさい!」みたいな(笑)

名目良:嫌な人は嫌だろうね(笑)
小林:頼らせてもらえるんだろうなっていうのはそこで思いました。
名目良:海士は特にそうよね。こういう外のもんをスッと受け入れてくれるね。いろいろな人がおるから、よそ者が大して珍しくない感じでね、だからすっと入れる感じがした。

今の福井小に感じること

名目良:子どもはね、よく言えばすごく素直。もうちょっとで言うと、わがままも言っていいかなと思う。
小林:そういう子は見ないですね。言われたことをやって。学校ってそういうもんだって感じだった。最近、いろいろ「やりたい!」とか言うようになりましたね。

名目良:今年、子ども達が自分で変えられることが増えてきたというか、提案するようになってきたのは、やっぱりやっかがあるからかな。子どもたちにわかりやすかったんだろうね。
小林:うん。なんでもやっていいんだって。校長先生が「やっか!」って言っただけじゃなくて、いろいろな先生方がそれに合わせて「やろう!やろう!」って言っていたっていうのが大きいんじゃないかなって。

名目良:そうだね。先生たちもいろいろやっかしてるね。
小林:とりあえずやってみていいじゃん、失敗していいじゃんって雰囲気にはなってるかな。やる前にそれ本当にやっていいのかなって話がよくあるんだけど。それが今年はないかな。
名目良:やっぱこう、大人が全力で楽しむのって大切だよなっていつも思うの。やってみるのもそうだし、大人が本気で楽しんでる感じは、子どもに刺激を与えるんだろうなとは思う。

1年生の生活科「みずであそぼう」
海士小との合同学習にて

小林:楽しんでやってるよね。大人が楽しそう(笑)
名目良:私、年々授業が楽しくなってきた。
小林:僕も。わかってくるほど楽しくなりますよね。
名目良:必死だったんだよね…若い頃は。いろいろな先生たちの真似をしたり、ついていこうとするだけで必死だったけど、ちょっと自分にも余裕が出てきて、楽しめてる。

小林:自分の中で、初任の頃って、授業つくるってどないせえみたいな。何つくったらいいか、わけもわからんって感じだったけど、最近は頭の中で、これやったらどうなるかなっていうアイデアを試して、楽しいかなっていうのはある。
名目良:そうだね。昔は、国語は国語、算数は算数って1つずつ頑張ってたけど、ちょっと繋がって見えてきたっていうかね。あれとこれが繋がってるんだって言うのが見えてくると、楽しい。

小林:あと、隠岐の先生は熱心な先生が多い気がして。話しやすい関係性ができてるっていうのがあるかもしれないし、結構思ったことをどんどん言ってくれる。こうじゃない?とかどんどん突っ込んでくれるし。
いろいろな先生方がそれぞれ自分のやりたいことを持っているし。どの世代の先生も、隠岐で出会った先生はやりたいことをやっている感じがしますね

タブレットで児童の学習の様子を見る小林先生

学校で好きな時間

小林:名目良先生のものまねを見てるとき。
名目良:やめてよ!!いやいや、愛情たっぷり表現してるだけ(笑)
小林:めっちゃ面白い。あれ絶対みんな好きですよ。
名目良:私そう、ショートコントみたいなのはさんじゃうんだよ。授業でもすっごいやる。

小林:僕は今年特活担当なので、5・6年生とかが、やる姿を一緒についてやることが多いんですけど、そうやって、子どもらがやるのを横で見守っとって、自分で考えてやろうと回している姿を眺めてるのがすごく好きです。1学期の頃と比べて6年生がすごく変わった。面白いな、成長しているなって。そういうのを見るのが一番楽しいかな。

名目良:私ね、給食指導するのが好きなんだわ。変わってるでしょ。給食指導ってなんか好きで力入れてるのよ。給食の食べ方って人が現れるじゃん。給食の食べ方って指導していくと変わるんだよね。
ちょっと笑い話をしつつ、「そんなにくちゃくちゃ食べてたら、一緒にレストラン行きたくない。」とか(笑)
そうすると子どもって、本当に綺麗に食べようとするんだわ。皿を持って食べるところから、日本と世界の違いを話したりさ。あの給食の時間はね、めちゃめちゃ好き。

1年生の給食の時間

名目良:文化を教えるのが好きなのかも。一つ一つ意味があるよって。
小林:「いただきます」って言葉にも意味があるし、「ごちそうさま」って言葉にも意味があるし。食べる時の食べ方にも、長い歴史の中で考えられたものとかありますしね。
他の教科とは違うんですよね。他の教科は目的がはっきりしすぎてるのかな。
名目良:給食って生活と結びついてるけん、想像しやすいしさ。
小林:毎日ですしね。変化が目に見えてわかる。食べられる量とかね。

もっとやってみたいこと

小林:もっと痩せたい。
名目良:自転車通勤、痩せそうじゃん。
小林:あまり大して…現状維持くらいです。増えもしないし減りもしない。適正体重はもう少し下なので、もう少し痩せたい。でも、生活を変えんといけんから。

名目良:食べないわけにはいかんじゃんね。私らは家族もいるからさ。食べらんとか難しいよね。子どもがおったらね。もったいないと思ったら食べるしね。
学校でも、残飯残すの嫌いだから。全部私が食べてた。今は、6年生が助けてくれるけん助かってるよ。
小林:全校で残飯を減らすっていいですよね。あれに書いときますか。りんご。全校で助け合って残飯をゼロにするみたいな。学年を超えておかわりをする

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小林:したいこと…。僕、前から言っているのは、日本人学校行きたいなっていうのはずっと言ってて。海士町で何年かたったら、日本人学校に行きたいなっていうのはずっと思ってます。海外で働くのはどんな感じなんだろうなって。
名目良:私も行きたかった。行きたかったけど、行けないよね。結婚して、うちは旦那と考え方も違うしさ。子育ての方針とか擦り合わせていかんといけんからね。もし今結婚してなかったら受けてるかも。
奥さんは、海外いいって言ってるの?

小林:元々妻が日本人学校行ってたから。僕もずっと行きたいって言ってるし、言い続けてたらそのつもりになるかなって。
どこに行くかわからないですけどね。でも、違うところに行ってみたいっていうのはありますね。元からそういう気質なんだと思います。ちょっと違うところ行ってみたいなって言うのはずっとあるんで。東京行ってみたいなと思ってたし、隠岐行ってみたいなっていうのも、松江じゃなくて他のところ行ってみたいなと思ってたし。新しいもの好きなので。

アメリカ横断旅行の時の寝台列車

名目良:そこは私と似てないわ。私は知った人たちに助けてもらって、甘えさせてもらって一緒にやっていきたいからさ。いけんかもしれんけどね。甘え切ってるよ、みんなに。
小林:名目良先生の場合は、お互いに助け合ってるって感じですけどね。すごい助けてもらってます。

名目良:だから、ずっと隠岐にいるんだろうなって思う。好きなのよ。
行きたい行きたいって、海外行きたいって言ってるだけで、たぶん本当はずっと隠岐にいたい(笑)
小林:隠岐は楽しいですけどね。
名目良:そうなんだよね。好きなんだよね…隠岐が好きなんだよ、私

名目良先生お気に入りの写真
油井(隠岐の島町)にて

名目良:私は図書館を放課後カフェにしたくて。宿題もしていい。異学年の交流もしたい。1年生の勉強を6年生が見るとか。かわいいじゃん。いいなとか思って。この前東京の視察に行ったときに、階段に貼ってあったのを真似してみたい。子どもたちがわちゃわちゃしていて、子どもたち同士で教えたりとか、ちょっと6年生が見てやったり。本当はそこに、中学生とか、高校生とかも立ち寄ってほしいなと思う。それに、おじいちゃんおばあちゃんとかもここにいて、宿題を見てくれたり、話を聞いてくれたり。

放課後の図書室

小林:それすごくいい。いいじゃないですか。やりましょうよ。
名目良:すごくない!?海士だったら実現できそう。
小林:海士って何かやりたいって言って、止められるイメージがない。
名目良:みんながふら~っと立ち寄って、ちょっとお菓子つまんだり、ジュース飲んだりしながら、勉強する子がおったり、遊ぶ子がおったり。
じいばあちゃんとも関わりが少なくなってきてるからさ。ここはIターンの子もおるけん、色んなお兄ちゃんお姉ちゃんと過ごす空間をつくりたいと思ってる。
誰か手伝ってくれる人いないかな、私のこの思いを。

小林:いいアイデアですね。僕もやりたいです、それ。乗る人ばっかりな気がしますよ。
名目良:自分の中では無理かなあって。すごい大変なこと言ってるかなって。
小林:大変かどうかより、面白そうだなって思うんで。面白そうならやりたいですね。いいなあ。そういうアイデア出したいな。

小林:6時間目をなくして早く帰ってね。
名目良:15時くらいに帰ってね、放課後カフェに来る。
小林:我々も勤務時間に終わる。結構できそうな気がする。
名目良:毎日5時間にすればいいじゃんね。15時には5時間目終わるじゃん。15時から16時に放課後カフェ。高校生来てほしいな、中学生も来てほしいな。じいばあちゃんも来てほしいんだよ。赤ちゃんとか連れて来ちゃったりして。小さい子が赤ちゃんのお世話したりもいいし。いいなと思う。
小林:人を集めるためにね。

執筆者より

お互いを認め合う関係性があるから、安心して自分の思いを話せる。隠岐だから、海士町だから、福井小だから、人と人の距離が近いからこそ生まれるもの。そこには、「やりたい」で溢れる先生の姿がありました。
とりあえずやってみる。福井小学校のこれからが楽しみです!