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「はじまりの書」で考える
[一般財団法人島前ふるさと魅力化財団(以下、魅力化財団)]が、「第4期隠岐島前教育魅力化構想・はじまりの書」を完成させました。
第4期隠岐島前教育魅力化構想・はじまりの書とは
島根県の隠岐島前地域(西ノ島町・海士町・知夫村)の「魅力的で持続可能な教育と地域をつくる」ためにつくられたものです。「第4期隠岐島前教育魅力化構想・はじまりの書」に、持続可能な教育と地域をつくるために「これから、こうしていこう。」というような目標は定められていません。「島前の教育の未来をどのように描くのか。」ということを考えるごとに、その答えを見つけるための「ヒント」がたくさん詰め込まれているのがはじまりの書です。
今回、教職員を対象にはじまりの書を活用したワークショップを実施しました。
はじまりの書には、島前地域における教育の未来を考えるヒントが詰まっています。
そのヒントの中には、はじまりの書をつくる際に関わった島前地域の皆さんが抱いた未来への「願い」も込められています。
今回のワークショップでは、教職員一人ひとりが福井小学校について、もしくは、教員として自分の持っている「願い」に気づき、「やってみたい」と思えることを見つけることを目的としました。
ワークショップの前に、魅力化財団のスタッフからはじまりの書がどのようなものなのか説明がありました。
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そして、グループに別れワークショップが始まります。
グループには、魅力化財団のスタッフが交ざり、教職員と一緒になって「願い」や「願いを叶えるためにできそうなこと」を一緒に考えてくださいました。
スタッフの皆さんは、教職員の出したアイデアに興味を持ち、その願いや考えを丁寧に聴いてくださいました。
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教職員からは、次のような「願い」と「願いを叶えるためにできそうなこと」が出されました。
「思いや願いを素直に話すことができる児童を育てたい。」
→朝の会での朝トークをする。
話し合いの時間をたくさん設ける。
話すために、自分自身を知るための取り組みを行う。
「自分らしく過ごせる放課後づくり。」
→学習ではないことを教えてくれる先生が、放課後の学校に集まってくる。
放課後クラブのスタッフとして、地域の方や高校生が小・中学校に集まる。
6時間目は毎日縦割り班活動。何をしてもいいけど全員で。
「島前地域らしい、一人ひとりに合わせた少人数教育。」
→一人ひとりが知りたいことを学べる個別探究を行う。
学びなおしが可能になる。
他国、他県とのオンライン交流(一人ひとりが交流したい場所を選ぶ)。
「教員の『やってみよう』『やってみたい』が地域から応援される。」
→地域とのつながりを深める。
教員の「やってみよう」「やってみたい」を子どもも保護者も知ることができる仕組みづくり。
学習発表会「教員の部」の実施。
「子ども自身で『考える』『決める』『気づく』学習の充実。」
→教員が自分の強みを生かして自由に授業をする。子どもは興味のある授業に参加する。
子どもが自由に参加できる授業をする。学年の壁をなくして交流する。
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矢印の後にある、「願いを叶えるためにできそうなこと」については、「すぐにでもできそう。」というものは少ないかもしれません。
それでも、普段、目の前の子ども達のために真摯に仕事に取り組んでいる教職員です。
きちんと時間を取って、「自分のもっている、これからの教育への『願い』は何なのか。」、また「その願いをかなえるために『どのようなことができるのか』『何をやってみたくなるのか』。」を考えることはなかなかありません。
このようなことを考える機会があっただけでも、教職員にとって価値のあるものだった思います。
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ワークショップはあっという間に終わりましたが、教職員にはこの日に描いた「未来への願い」を少しの間でいいので大切にしてみてほしいです。
また、その願いを叶えるために何かやりたいことが見つかったのであれば、やってみて(着手してみて)ほしいです。
それが、自身の「楽しみ」や「やりがい」につながりそうな気がします。
ワークショップに関わってくださった、魅力化財団のスタッフの皆さんありがとうございました。
皆さんのおかげで、福井小学校の教職員はいろいろな自分に気づき、今後のことについて考える機会をいただくことができました。