短歌がもっと身近に! ~3年生国語の授業より~
小学校3年生の[短歌]の授業に特別講師をお招きしました。
※特別講師は地元の漁師です。漁師として働くかたわら、短歌や俳句を学び続け、地域の住民と一緒に短歌や俳句の世界を学び、広げる活動をされています。
講師は、学校からの依頼を快く引き受けてくださり、「短歌が子どもたちにとって、もっと身近なものになり、子ども達が短歌を楽しんでくれるようになってほしい。」という想いをもって授業に臨んでくださいました。
授業の始まりは、絵本の読み聞かせからスタート。
講師の優しい声と楽しいお話に、教室は温かい雰囲気に包まれました。
お陰で、3年生の子ども達もリラックスし、笑顔が広がり、短歌の授業に入ることができました。
短歌を学ぶ入りの部分では、講師が仕事の様子を思い出しながら作った短歌を紹介してくださいました。
それは、海に仕かけた網に[ゴンドウクジラ]が入った際の様子を短歌にしたものでした。
『息を吐く そのたびごとに ゴンドウは
ハッピーリングを 皆に与える』
「この短歌を聞いて、どんな感じがする?」
講師はこの短歌の他に、3年生の同級生が2年生の時に書いた短歌も紹介し、子ども達に同じ問いかけをしました。
「この短歌を聞いて、どんな感じがする?」
講師は、子ども達とこのようなやり取りを繰り返し、「短歌というものは、自分の気持ちを五・七・五・七・七の31音で作る詩なんだよ。」と教えてくださいました。
そして講師は、教科書の作品の解説もしてくださいます。
教科書の短歌の中の一つは、この海士町で過ごされた後鳥羽上皇がその短歌を勉強し、似たような短歌を作ったということにもふれてくださり、子ども達の短歌への関心は一気に高まったようでした。
そのような話をおり交ぜながら講師は、最後に「短歌で作品を残すと、作った人がどのような気持ちなのかは何年たっても理解することができるね。」と話してくださいました。
はじめにも紹介したように、講師は普段から身の周りで起こる日常の出来事を短歌にしています。
今回の学習では、短歌の魅力的な世界を講師は子ども達に伝えてくださいました。
授業の振り返りでは、「短歌を作ってみたい!」という子ども達の声がたくさんあがりました。
子ども達に、「短歌は楽しい!」「短歌を作ってみたい!」といった気持ちが芽生える時間となり、短歌の楽しさがしっかりと伝わったようです。
身近なできごとや感じたことを、言葉で表現する楽しさにふれた子どもたちの笑顔が印象的でした。
今回の授業をきっかけに、子どもたちが短歌を通して日常の新たな一面に気づく機会になればと思います。
講師は、いろいろな仕かけを考え、たくさんの時間をかけて今日の授業を準備してくださったのだろうと思います。
ありがとうございました。