為末大さん 講演会(9/19)
海士町に来島された為末大(ためすえだい)さんをお迎えし、福井小学校・海士小学校の5・6年生児童と、海士中学校の生徒に向けて講演会がありました。
まずは、為末さん自身が中学生の頃(1990年代)の話をされ、インターネットや携帯電話がなかったころの面白い話から場を和ませ、現役時代の記録や有名選手(ウサイン・ボルト選手)との交流の話などをされながら、子ども達の為末さんへの関心の度合いを高めていきました。
そして、為末さんの経験を基に「一番大切だ」という考えに至った二つのことを話されました。
大切なことの一つ目は、「夢中になること」
何かに夢中になれることは、「大きな力」である。
我を忘れて夢中になることは、それだけで「才能」だと話されました。
「得意、不得意関係なしで、そのことにドボンと入ればいつの間にかうまくなっているんだよね。」という為末さんの話に納得しました。
為末さんの陸上競技人生を聞いていると、山があったり谷があったり(いい時があったり、そうでない時があったり)したのだということが分かりました。
どちらのタイミングの際にも、「陸上競技に夢中になる」という境地に立ち、没頭しながら競技力の向上を目指し続けたのだろうと感じました。
また、大切なことの二つ目に挙げられた「変わる」ということでした。
「変わる」については、次のように話されました。
「人間というのは変わる。
変わるということは、今の自分から見えている世界が変わるということ。
違う人になったら、違うふうに世界が見える。
まさに見える世界が変わる。
このことはいつか体験するはず。
そういう瞬間が来るということを覚えておいてほしい。」
この話については、次のように付け加えてくださいました。
「自分はこういう人間だということを決めつけると、なかなか変わることができない。
だけど、『もしかしたら』という考えを持っておくことで、いつか変わることができる。
時々、姿を現す『チャンス』や『ピンチ』によって、新しい自分への発見があるかもしれない。」
これらのお話は、福井小学校が合言葉で掲げる「やっか」につながるものがあるなと思いました。
為末さんは、まず自分でやってみています。
やり始めたら、まさに「夢中」だったのではないでしょうか。
夢中で続け・積み重ねると新しい発見があって、そこで考え、次にやることを決めてまたやってみる。
そうやって(陸上競技)人生を歩んでこられたのではないかと思いました。
【児童の感想から】
為末さんの話を聞いて思ったことは、夢中になっていることをもっと夢中になりたいと思いました。ぼくは、飛行機に夢中です。為末さんの飛行機に乗った話を聞いて、いいなと思いました。でも、大人になるまで夢中でいられるのかなと思いました。
為末さんの話を聞いて、私もスポーツをしていてスポーツに興味があるので、そのスポーツに夢中になれるようになりたいです。今、バレーボールを習っています。一つのことの調子が悪かったら、なぜできなかったのか、いつもとちがうことを見つけてその時に応じて対応できるようになりたいです。私もいつか、日本を代表できるような選手になりたいです。オリンピックに出た選手の話を聞くことができてうれしかったし勉強になりました。
為末さんの講演会後に、「今、夢中になっていることがある人」がどれくらいいるか、福井小学校の5・6年生に尋ねました。
半分近くの子どもが手を挙げました。
今回の講演を機に、持っている夢中なものを大切にしてほしいです。
また、夢中なものがない人には福井小学校の合言葉である「やっか」を繰り返しながら、「夢中になれそうなこと」を探してみてほしいです。
為末さん、ありがとうございました。